株初心者に分かりやすい取引入門04 株の銘柄の選択方法
「株式投資をスタートさせてみよう!」
だけど、株を購入しようとしても、どのような株を選択したらいいのかと頭を悩ます人も多いのではないでしょうか。
ここでは今後株式投資をスタートさせたい人のために「株の銘柄の選択方法」をご案内します。自らが発見し投資した企業の株価が上昇したり、配当をもらえたりするとすごく幸せな気分になります。
さらに、投資を続けることで、いっそう株式投資が上手になるというメリットも出てきます。
1.手頃な株から発見してみよう
国内で上場している企業(銘柄)は約3,600あります。
その上、ネットやニュースペーパー・書籍などには「有望銘柄」「おすすめ銘柄」が沢山紹介されています。そういった情報をもとに投資する銘柄を選択するのはシンプルなようで意外と難しいです。
たとえ有望銘柄の情報が届いたところで、その情報をとっくにたくさんの投資家が手にし、投資をスタートさせてしまっていると考えられます。株式は購入したい人が増加するほど価格が上がる商品です。人気が出てきてお得感がなくなった高値になっているのに、それをあわてて購入してしまった結果、稼げなかったというコメントはよく聞くものです。
本来知らない会社で、事業内容や業界事情が見えてこないといったケースには、情報に任せるばかりで自分では決断できていないということになります。そう考えた時、手頃な企業にポイントを置く利点はいっぱいあります。
まず、手頃な企業なので、自分でその会社の長所を突き詰めて考えられるはずです。販売店だったら従業員に話を聞いてみるだけでも投資のポイントに発展するでしょう。一定間隔でその企業の商品・サービスに変化がないかチェックすることもできます。このようにして自分で入手した情報と見識は、第三者からの情報頼みにならない独自の大切な投資判断のネタになります。
株価が大きく上昇したり下降したりした時も、余裕をもって売買の決断が行なえるようになるでしょう。とりあえず身近で愛着がある銘柄を調べていきましょう。例えるならお好みの商品を制作している会社、よく利用する交通機関、ショッピングを良くする販売店、身内が好む料理店など着目する判断材料はたくさんあります。
2.興味のある企業の全容と業績を把握しよう
興味のある会社の銘柄を決定したら、証券会社のサイトなどでその会社の全容と業績に関する数値を確認していきます。押さえておきたい所は「規模(売上や従業員の数)」、「稼げでいて景気がいいか(収益)」、「負債が多くないか(自己資本比率)」などです。ここで、損失続きで稼げていない企業や、利益がない上に負債が多いという倒産の危険性が高い企業は避けます。
3.企業の利益がどのくらいにになるかを予想しよう
もし、自身が興味のある商品やサービスが広まって人気が出始めたら、その企業全体の売上や収益がいくらくらい変わるのか自分なりに想像してみます。
最初はトレーニングの気持ちで気負いすぎなくて問題ないです。とりあえずは現実に大成功した食品やサービスを持つ会社などを目安に考察してみるのがいいでしょう。重要なのは、自身が目を向ける商品やサービスが会社の業績を大幅に伸ばすことがイメージできるかという目線を持つことです。もし企業全体の売上高や収益が150%、200%になることが期待できる会社(銘柄)に巡り合えたら買ってみましょう。ハードに思ってしまうかもしれませんが、初心者が株式投資を身につける過程ではかなり重要なプロセスです。
4.株価を確認しよう
業績が上がりそうな会社だと感じたら、株価と投資にかかる金額を確かめましょう。
株を買い入れるにあたって最低限要求される金額を「株価×単元株数」で計算できます。仮に株価が600円で単元株数が200株なら、最低限かかる投資金額は12万円です。自身の予算に合った株なのかをチェックしましょう。
5.投資判断をしよう
ようやく投資判断です。株価が高めか安めかを見る指標をチェックしましょう。
把握しておきたい指標は「PER(株価収益率)」です。PERは(株価)÷(1株利益)で計算し、「現在の株価が年間1株利益の何倍(何年分)に該当するか」を知ることができます。業界や成長率などでもバラバラになってきますが、市場の平均は15~20倍ぐらいです。これより上だと割高、それより下だと割安と判断します。
現時点のPERを把握したら、先程説明したこれからの収益の伸びを想像して、株を購入するかどうかの投資判断をします。具体的に言うと、お目当ての企業の今の株価が900円、1株利益が60円だとします。この企業の1株利益がやがて2倍(120円)になると判断した場合、もし株価に変動がなければ、PERはどう動きを見せるでしょうか。
今のPERは900円÷60円=15(倍)になりますが、この先のPERは、900円÷120円=7.5(倍)になり、平均の15~20倍より下がります。つまり、この銘柄は割安で、業績の成長に合わせて株価が上がっていくと考えられます。
経験を重ねてきたら、その企業の昔のPERの推移や似た会社のPERを確認して考察してみるとさらに効果的です。こういった情報は価値のある投資判断のネタになります。株価が大幅に変動するシーンでも、自分で余裕をもって判断が行なえるようになるでしょう。